第94回 薬剤師国家試験情報


第94回 薬剤師国家試験総評


科目 総評 出題数 予想
得点
過去問
再出題
難易度
★  :低
★★ :中
★★★:高
1日目 午前  基礎薬学
有機化学 15題のうち、1題は生化学との関連問題、1題は生薬学との関連問題であった。過去問題からの再出題は2題であり、全体的な難易度は低~中程度。過去問題を解く知識があれば解答を出せるものが多かった。 15 9 2 ★★
物理化学 毎回の7題程度の出題であったが、今回は9題出題された。過去問ではあるが、設問に対して細かく問われている箇所が多く、例年に比べ、今年の難易度は高いと思われる。
難易度の高い問題もあるが、過去問を解き込んで基礎学力を身につければ、9点中5点以上は得点できたと思われる。今後の対策として、基礎学力の強化が必要であると思われる。
9 6 0 ★★★
分析化学 問題数は10題あり、前年度と比べ2題減っている(クロマトグラフィー:1問減、イムノアッセイ:1問減)。過去問題の知識があれば解答を導けるものが多いが、昨年度より難化していた。クロマトグラフィーの定量法(計算)の問題が新規出題された。 10 6 1 ★★
放射化学 基礎薬学で1題、衛生薬学で1題、医療薬学 II で1題の計3題出題された。過去問レベルの内容であり、過去問題の知識があれば容易に正解に到達できた。 3 2 2
生薬学 3題共に、過去問題レベルの基礎的な問題が中心であり、過去問題の知識があれば解答に導けるものであった。 3 2 1
生化学
分子生物学
前年に引き続き、出題範囲に偏りがみられた。目立った新傾向問題は2問出題されたが、その他の問題は、基本事項であった。全体的には、化学的な内容より医療の内容に近づいた問題が多く、今後もその傾向は続くと思われます。 9 4 0 ★★
機能形態学 基本的には過去問に準じた問題が多数を占める。しかし、構造の問題にしても文章題にしても表現を変えた「真の理解力」を問われる問題であった。例年と比較して、ホルモンに関する問題が多い。昨年は「皮膚」、今年は、難易度は低かったが「眼」に関する出題もあり、感覚器に関する問題への対応が今後は必要である。医療を意識した問題が数題あり、解剖生理の知識だけでは解けない問題もある。 6 3 0 ★★
免疫学
微生物学
昨年は1題ずつであったが、今年は免疫3題、微生物2題と例年通りの配分である。基本的な内容を問う問題が多い。免疫学は2年に1度アレルギーの分離が問われており、医療に関連した内容が目立つ。 5 3 0 ★★
1日目 午後  衛生薬学・薬事法規
衛生薬学 難易度は「やや高い」。例年通り過去問再出題は8題ある。さらに計算問題が3題と例年より多い。構造式問題も7年間連続して出題されており、その題数が増えている。新しい法律や制度の内容(食事摂取基準、予防接種法、水質汚濁に係る環境基準など)の出題に加え、農薬などトピックスとなった事象の問題も目立つ。
基礎的事項の理解に加え、思考力、応用力を意識した学習が今後は必要である。
40
(放射
1題
含む)
28 8 ★★
薬事法規 再出題は1題、過去問に準じた問題が大部分で、昨年度よりも易化している。法改正をカバーした出題もほとんどなく、内容的にもひねった感じのものは見られなかった。近年の傾向として、保険調剤に関する記述が増加しており、年々深い内容まで問われてきている。今後は医薬品販売業や一般用医薬品の分類等、94回では出題されずに終わった法改正の知識が要求されるであろう。 20 16 1
2日目 午前 医療薬学 I
薬理学 基本的には過去問に準じた問題がほとんどであるが、構造の問題にしても文章題にしても表現を変えた応用力を問う問題が出題されているため、基礎学力の低い学生が対応できない可能性が高い。問題配分は昨年度とほとんど変わらず、神経系、循環器疾患、代謝系疾患の問題の出題数が圧倒的に多い。2年連続で皮膚疾患の治療薬が出題されているため、今後対策が必要な範囲になると思われる。 30 23 0 ★★
薬物動態学 ADMEに関する問題の中で、吸収に関する問題は過去問レベルであるが、分布、代謝に関する問題は細かい内容まで問われており、新傾向問題が多数出題されている。
計算問題が5題出題されているが、難易度も基本的な問題であり、2題再出題問題があった。グラフの問題も基本的な内容が理解できていれば解答できる。
TDMに関する問題が2題に出題された。それぞれの薬物に関する問題が細かく出題されており、過去問の内容を確実に習得し得点源にしていく必要がある。
これからは現場を意識した問題が増えていく傾向にあると思われる。
15 12 2 ★★
物理薬剤学 新問題が多く出題されており、全体的に難易度の高い問題が多く出題されている。今度、過去問に触れることにより、基本的な事項や定義を理解し、さらにそこから応用的な知識が要求される問題が多くなると思われる。難易度の低い問題、過去問の再出題問題を着実に得点につなげていく必要がある。 8 4 1 ★★★
製剤学 今までになく難しい問題であった。選択肢で解答が導き出せるものがあるものの、15局改正日本薬局方に準じた、非常に細かい出題が目立った。 7 3 0 ★★★
2日目 午後 医療薬学 II
病態生理
薬物治療
症例問題の増加、薬理作用を問う問題の増加、相互作用を問う問題の増加、この3点が今年の特徴である。
病態生理というよりも、薬理学や薬剤学の知識を問う問題であった。
30 25 2
病院実務 医薬品開発の問題は手応えのあるものであったが、過去問の類似問題も2題あり、大半は標準的な問題であった。薬学部6年制を意識してか、近年院内感染、輸液・注射剤・抗悪性腫瘍薬の調製の出題が増えており、今後の対策としてもこれらの知識を深める必要があると考えられる。 27 17 2 ★★
総合問題 問238ーdのメトプロロールは心不全に対し、禁忌とされており、設問が不適切である。
しかしながら、一つの症例に対して薬理学、薬物動態学、病院実務の知識を問う問題で、興味深い試みである。
今後はこのような臨床を意識しながら科目の壁を越えた知識を問う問題が増加するであろう。
3 2 0 ★★
予想平均点:165点

 

資料提供:メディセレ